小児事例

年齢 8歳
疾患名 脊髄性筋萎縮症Ⅰ型 慢性呼吸不全
訪問のきっかけ 鹿児島大学病院からの紹介  母の精神的サポート
受け入れ状況 平成26年1月14日より訪問開始 (1歳4か月)
母の受け入れは良く、児の姉である長女のために少しでも時間を取りたいとの気持ちがあり、
外出時の見守りや赤ちゃん体操などのリハビリから開始
訪問開始2か月後より、訪問中の入浴介助の希望があり開始
母と一緒に入るので前後の更衣や浴室への移動などの介助を開始する
訪問開始3か月後より、複数回訪問希望あり開始
姉が保育園入園にて送迎のための朝の訪問も必要となり複数回訪問を開始する
1歳8か月 NPPV開始
2歳10か月 IPPV開始 胃ろう造設
平成30年からスピンラザ髄注療法開始
ほかに受けているサービス  訪問リハビリ週2回) 訪問入浴(月6回)
現在の訪問状況 訪問内容 バイタル測定、人工呼吸器管理、カフアシスト実施、胃ろう部管理
服薬状況確認、往診状況確認、水分摂取量、食事内容や摂取状況確認
睡眠、排泄状況確認、
入浴介助(内容は同じ)必要時清拭、足浴、手浴、陰洗など
気切部処置、吸引、胃ろう部処置
母受診時の長時間見守り(おむつ交換、食事配膳、水分摂取、遊び)
現在養護学校通学中。下校後訪問し、見守りや入浴介助を実施している。
学校へは母が同伴している。
往診は隔週で実施。カニューレは母も交換できるため、痰による閉塞感が強い場合は母の判断で交換している。
自律神経の乱れがあり、低気圧の関係や不安や緊張による精神的ストレスにて発症し多量の流延や発汗、
倦怠感、不眠などの症状が出現している。
訪問看護師との関係は良好で、学校での様子や休みの日に家族で外出した時のことなどよく話してくれる。処置などにも協力的である。
母との関係も良好で、母の受診時には5~6時間ほどの長時間になることもあるが連絡を取りながら実施している。
児童なので、見守り中は遊びがメインだが最近はトランプで新しいゲームを調べてルールを覚えながら楽しんでいる。

連携表(主治医・CM・その他連携機関)

2021年

月/日  
1/15 スピンラザ髄注療法のため鹿大病院入院(11回目)18日退院
4/23 家庭訪問のため訪問キャンセル
5/6 鹿大病院入院(12回目のスピンラザ髄注療法のため)8日退院

2020年

月/日 内 容
1/15 往診前にカニューレが詰まった感じが有り母にてカニューレ交換した。
カフアシスト時の換気量が低下していたので往診事に圧の変更される。
30→35hpaへ
1/27 スピンラザ髄注治療で入院(8回目)1/29退院
5/20 カフアシストの圧を35→40hpa
5/27 入院5/28スピンラザ髄注(9回目)5/29退院
9/5 台風の為、生協病院へ避難入院9/8退院
9/28  

2019年

月/日 内 容
1/11 訪問療育利用にて担当者会議
相談支援事業所;エマーブルアリス
居宅訪問型児童発達支援・ミニョンヌアリスを8回/月利用できる。
ケアプラン参照
2/4 訪問療育開始
4/9 養護学校入学式
5/7  
7/3 大雨の為避難入院
7/24 外出の為訪問キャンセル
7/31 外出の為訪問キャンセル
訪問療育夏休み期間中に利用(7/31、8/5、8/16)
9/23 スピンラザ髄注療法の為鹿大病院入院(7回目)

事例1

高齢者施設にて

高齢者施設に入所中の90歳の男性。
肺癌末期状態で吸引、吸入が必要な状態。
病院に入院されていましたが、住み慣れた施設で過ごしたい、又残された日々をご家族でゆっくりと過ごしたいと言う思いを叶えるため、病院を退院され、毎日訪問看護を利用。病院では、面会もできない状態でつらい思いをされていましたが、残された時間をご家族で過ごすことができて良かったと話されています。

 

事例2

病院受診が困難な利用者に訪問看護師が訪問した事例

事例 80歳代 男性 小脳出血後遺症 右片麻痺 右膝関節拘縮
要介護5 妻と二人暮らし 子供は県外で結婚をしている 主介護者は70代妻

高齢者の妻にとって体格の大きく力強い夫の介護は精神的にも身体的にも毎日のオムツ交換や食事の介護は大変でした。夫は疾患のために右膝は全く屈曲できず伸展したままの状態。自分でベッド上でひもを頼りに座位を取ることはできるが臥床中に体位を変換することは難しい。排泄は全面介助で排尿は妻による導尿とおむつへの失禁と排便もおむつへの排便です。若いときはトラックの運転手だった夫は、自分の思いと違うことをするとすぐに妻を殴ることがありました。ベッド上の環境は体格差や夫の自力での体動(協力動作)に制限があることから妻は尿や便がベッドに漏れ出ないようにオムツを当てることができないことが多く、ベッドを汚さないようにという妻の思いから防水シーツやバスタオルなどが何枚も重ねて敷いてある状態でした。長時間同じ体の部位が圧迫されることにより褥瘡(床ずれ)はできるといわれています。これら何枚も重なった敷物はしわになりやすくそのしわが体の同じ部位に長時間あたっているとそこから褥瘡になりやすい環境にありました。

冬に伸展したままの右膝関節直下に褥瘡ができてしまいました。原因は電気敷毛布のリモコン部分による圧迫と考えられた。主治医の判断にて毎日の処置が必要とのことで訪問看護とデイサービスとで一定期間毎日のように処置をしました。ガーゼが外れてしまったり汚れてしまったりしたときには妻がガーゼを交換できるように処置の方法を妻へも付いて確認しながら指導した。その結果褥瘡が徐々に改善してきている。(夫が病院受診をするためには介護タクシーを利用しなくてはならず、タクシー代が¥5,000/1回かかる状態。)

訪問看護は、病院を受診しなくても主治医の指示による創の処置や医療的な処置(点滴なども)をご自宅にお邪魔して実施しますし、療養にあたる環境の整え方や必要に応じて介護をする家族への指導を行い、療養者の方がいつまでも住み続けたい場所での生活を支援していきます。